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データマネジメント
公開日:2021/08/12
お待たせしました、このシリーズもいよいよ最後です。前回は川崎市の「木月祗園町」が「祗」か「祇」についてご説明しました。そして今回は予告どおり混乱の現地取材の結果をご報告します。
某月某日、私は東急線元住吉駅の改札を出たところの周辺地図の前にいました。
さすが駅改札前、現在の正字「祗」でした。が、同じ地図の中でこの町名の由来となった橋はなんと、
「ネ氏」でした。
ところが、階段を降りて駅前の地図をみると、
逆です。地元は見事に混乱しています。
さて、まずは問題の橋に行ってみることにします。
今度は「ネ氐´」です。よくわからない「´」は見て見ぬフリするとしまして、わざとやってるのか?と思えるほど表記が揺れに揺れています。
これならば住居表示板でも期待できるのではと思い目線をそちらへ移してみましたが、橋の前にあったものは、
普通に「祗」でした。このタイプでなく、前回ご紹介した記事のように広告と一緒に電柱に結わいつけてあるタイプの中で古いのがまだ残ってはいまいかと探しましたが記事にあったタイプの残骸はもうありませんでした。
なんとか見つけたのが違う代理店のものと思われるタイプのもので、
「祇」がありました。現在進行形のものでも揺らぎが確認でき、その場で軽くガッツポーズをしてしまいました。
因みに各ご家庭の表札の住所表記は揺れに揺れていましたが、個人宅様のものですのでここでのご紹介は割愛させていただきます。一つだけマンションで面白い例を上げますと、
下に住居表示板があるにもかかわらず、それと違う表記を使っているのはなかなか面白いですね。
いかがでしたでしょうか。元々あった異体字とJISフォントの変更による字体の揺れがあった中での住居表示化による字体統一という極めて珍しい例ですが、地名はこじらすと厄介なこともある、というお話でした。長々と4回もお付き合いいただきありがとうございました。